『レオノーレ』全曲 O.トーマス演出、ライアン・ブラウン&オペラ・ラファイエット、ナタリー・ポラン、他(2020 ステレオ)(日本語字幕付)
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Daisuki | 東京都 | 不明 | 2021年05月08日
これは素晴らしいディスクだと思う。 ガヴォーの「レオノール」の映像と同じチームによるものだが、この二つを見ればベートーベンがいかにガヴォーの影響を受けたかがわかる。 解説を読むと「フィデリオ」に向けた改訂はそうした影響を排除する方向にあるようだ。 しかし、「レオノーレ」の方が「フィデリオ」より優れたヴァージョンだと思える。 「レオノーレ」と「フィデリ」を比べると、特に前半で曲の順番の入れ替えが多いのだが、「レオノーレ」の方が話の流れが自然に感じるからだ。 これは、演出のせいもあるだろう。 自分の本音を隠しているというより無表情にしか見えないロッコとか、問題がないわけではないが、非常に自然な流れを作るのに成功している。 先のロッコを別にすれば、演技もみないい。ピツァロなど決まりすぎと感じるくらいだ。 また、オーケストラの演奏がいい。ピリオド楽器による編成の小さいオーケストラだが、録音がいいのか会場がいいのか、大変な迫力がある。これほど「レオノーレ序曲第2番」がオペラの序曲だと感じさせてくれる演奏をしらない。 「レオノーレ」の音だけのディスクはいくつも出ていて、それも巨匠の指揮によるものが多いのだが、そのどれよりも、オペラとしての「レオノーレ」の魅力を伝えてくれていると思う。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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