ピアノ協奏曲第3番、第4番、第5番『エジプト風』 アレクサンドル・カントロフ、ジャン=ジャック・カントロフ&タピオラ・シンフォニエッタ
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Papachan | 北海道 | 不明 | 2019年06月30日
リズム感の良さ、切れ味の鋭さで爽快な演奏を繰り広げるカントロフ&タピオラ・シンフォニエッタのサン=サーンスのシリーズ。わたしは出るたびに買い求めていますが、そのほとんどが魅力的な演奏で、聴いたあとほんとうにスカッとします。しかし、そのなかで唯一不満が残ったのがピアノ協奏曲1、2番(Pf:小川典子)のアルバム。肝心の2番が、意外にキレが悪く中途半端な印象でした。3〜5番が出ないのかと首を長くして待っていたらソリストを息子にかえて、やっと出ました。息子さんのピアノは、これまで聴いたことがなかったので相当期待して聴きましたが……。3番は文句なしの名演。4番はいまひとつ。優れた演奏だと思うのですが、デュシャーブル/ロンバールの驚異的に鮮烈な名演が耳にしみついているせいか、ややこじんまりしすぎた感があります。そして5番、個人的には古今のピアノ協奏曲の中でも5本の指に入る傑作だと思っているのですが、この曲はほんとうに難しい。いまだに「これは決定的名演だ」と思える演奏に出会えたためしがないのです。残念ながら、今回もいまひとつ。ピアノは表情豊かに弾かれていたかと思うと、平板に聴こえて表情に乏しかったりとムラがあります。そして親父さんの指揮が、要所でいつになく粗い。終楽章のコーダなど、「え、こんな演奏をする?」という感じです。「決定的名演奏」をこのコンビの5番には期待していただけに、やや辛口の評価にならざるをえませんが、一般的には十分推薦に値する演奏です。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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