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モーツァルト(1756-1791)

CD 『フィガロの結婚』全曲 ネゼ=セガン&ヨーロッパ室内管、ハンプソン、ヨンチェヴァ、ヴィラゾン、他(3CD)

『フィガロの結婚』全曲 ネゼ=セガン&ヨーロッパ室内管、ハンプソン、ヨンチェヴァ、ヴィラゾン、他(3CD)

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2017年01月04日

    前の『後宮』に比べると少しおとなしいかなとも思うが、ピリオド様式を十分に踏まえた、ネゼ=セガンのみずみずしい指揮はここでも健在。クルレンツィスは過激すぎるが、古いスタイルにはもう戻れないと思っている人には絶好の演奏。もちろん決して無個性な指揮ではなく、「もう飛ぶまいぞ」の後半、軍隊行進曲になってからの思い切った加速など痛快だ。 歌手陣はクルレンツィス盤より遥かに強力。特に誉めたいのは、二人の若い女声歌手。クリスティアーネ・カルクのスザンナは類型的なスーブレットではなく、細やかな気遣いのできる頭のよい女性として演じられている。第3幕冒頭の伯爵との二重唱におけるカマトトぶりは絶妙だし、第4幕のアリアでもデリケートな表情が美しい。これを聴いて彼女の歌うR.シュトラウス歌曲集のCDを衝動買いしたほど。ケルビーノは女声歌手にとって、ある程度若い一時期しか魅力的に演じられないと思うが、アンジェラ・ブラウアーはまさにその時期。とても魅力的なケルビーノだし、ほとんど旋律装飾をしないこの演奏だが、「恋とはどんなものかしら」ではセンスのよい装飾をみせる。ハンプソンの伯爵も相変わらず良い。彼の歌では悪達者な饒舌さにうんざりすることもあるが、この役ではほぼ皆無。男性としての「賞味期限」切れが近く、焦っているオジサンというキャラクターも今の彼に合っている。ピサローニはフィガロも器用に演じていて、致命的な不満はないが、私の好みとしては主役だけにもっと柄の大きな歌、近年で言えばアーウィン・シュロットのような存在感が望まれる。ヨンチェヴァは噂通りの美声の持ち主。ただし、芝居は何とも古風で、近頃流行の若作りな伯爵夫人ではなく「ろうたけた貴婦人」風。したがって、アリアは文句ないが、アンサンブルになると彼女の鷹揚さ、もっとはっきり言えば「鈍さ」に終始いらいらさせられる。この役にはミスキャストだったと思う。脇役にも大物歌手を揃えているこの録音。特にめざましいのはビリャソンのドン・バジーリオで、陰湿なイメージを持たれがちな役だったが、彼の陽性なキャラがこの人物自体をリフレッシュしている。第3幕の曲順変更はなし(昔のまま)、第4幕のマルツェリーナとバジーリオのアリアも歌われている。

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