夜想曲 全曲 アラン・プラネス(1836年製プレイエル)(2CD)
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うーつん | 東京都 | 不明 | 2021年07月18日
詩情あふれる香りが夜に漂うような美しさとはかなさ。 ショパンの夜想曲全集はいくつか所有しているが、このディスクで最後にしようと思う。そう思わせるほどショパンの夜の世界が描写されている。使用楽器の選定もこの描写に一役買っている、というよりこの楽器だからこそこの音世界が現出したのだろう、と確信している。ひそやかなルバートと、ふとため息をつくかのような、またはふと想いが変化するかのような部分を表す繊細なタッチはプラネスの感性と技術の最上の融合と思う。 ショパンの夜想曲はよく「ロマンチック」と言われる。それもこの曲たちの一面であろうが、私はそれ以上に「孤独」「郷愁」「傷心」「絶望」「祈り」のような要素も感じてしまう。それほど夜想曲は多面的で複雑なのだと思う。 私事をレビューに書くのは反則で申し訳ないが、最近、友人を一人失った。私の行いにより友人と断絶することになってしまった。失意と絶望、自己嫌悪に苛まれた時、このディスクが届いた。聴いて、胸がしめつけられ、涙を流してしまった。自分が友人に向けた行いとは、かくも孤高に美しいこれらの音楽に対しても背を向ける行いであったのだ。逆説的な物言いだが、かくもこのディスクの音楽は人の心の奥に沁みこんでくる。静かに、そして深く…。5人の方が、このレビューに「共感」しています。
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