Die Walkure : K.Warner, Antonio Pappano / Royal Opera House, Skelton, Magee, Stemme, Lundgren, Connolly, etc (2018 Stereo)(2DVD)
Customer Reviews
-
(0 posts)
-
(1 posts)
-
(0 posts)
-
(0 posts)
-
(0 posts)
Showing 1 - 1 of 1 items
-
村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 05/September/2021
ウォーナー演出はもちろんトウキョウ・リングとは全く違うもので、パロディ色はなし。象徴的でありつつもかなりリアルな感触。各幕の舞台はDNAを表象する螺旋状の構造物が見られる塔のような建物のワンフロアといった感じ、これは良くできている。(神々ではない)人間達の衣装や調度などは現代のものにも見え、超時間的な舞台だが、ワルキューレ達のいでたちがすこぶるワイルド、いや明らかに土俗的なのが印象的。同じことはヴォータンにも言え、定番の眼帯ではなく、リアルな特殊メイクで右目をつぶしているが、どちらがフンディングか分からないような粗暴な人物になっている。第2幕の幕切れでも言葉でフンディングを殺すのではなく、実際に槍で刺し殺してしまう。『ラインの黄金』のヴォータンならこれでもいいかもしれないが、私が『ワルキューレ』のヴォータンに期待する威厳や孤独感といったものがほぼ感じられない。最終景はなかなか壮観だが、そのために第3幕冒頭(ワルキューレの騎行)からエンディング直前まで、ずっと大きな壁の前で演技せねばならぬというのは、本末転倒もいいところ。 音楽面ではパッパーノの指揮が相変わらず好調。総譜の読みが深く、非常に立体的に音楽を響かせている。ただし、かつての指揮者で言えばショルティのような即物的な音楽なので、さすがにワーグナーになると「含みが乏しい」などと文句を言う余地もあろう。歌手はコノリーのフリッカも含めて女声陣の圧勝。ステンメはやはり現役世代最高のブリュンヒルデであることが改めて確認できる。マギーも(女性のお歳を話題にして申し訳ないが)実にキャリアの長い人。ドラマティック・ソプラノへの転身が成功した典型的なケースで、演技もうまいので、見応え十分。メジャーになる前のダヴィドセンが端役で出ている。スケルトンは声は立派だが、見た目に関しては、もう少しダイエットしてほしい。クプファーのように、あちこち走り回る演出じゃなかったのは幸いだが、これでは殺される前に息が切れてしまいそうだ。ランドグレンも声楽的には見事だが、前述の演出にも災いされて、私のイメージする『ワルキューレ』のヴォータンとはずいぶん違う。2 people agree with this review
Showing 1 - 1 of 1 items