【映像】フィレンツェ五月音楽祭/ブゾーニ:『ファウスト博士』

2024年02月16日 (金) 17:15 - HMV&BOOKS online - クラシック


フェルッチョ・ブゾーニ没後100年周年記念企画!
フィレンツェ五月音楽祭よりブゾーニ畢生の大作『ドクトル・ファウスト』登場


深夜、魔方陣の中で秘儀書を開いたファウストは悪魔を召還。現れた悪魔メフィストフェレスと、自分の魂と引き換えに、究極の叡智と自由を受け取る契約を結びます。ファウストに捨てられた妹のために復讐を企てる男を2人はミュンスターの教会で殺し、次いで訪れたパルマでファウストは、公爵夫人を誘惑し駆け落ちをします。暫くして、学生たちが神学論争をしているヴィッテンベルクの酒場を訪れたファウストの前にメフィストフェレスが現れ、ファウストが公爵夫人に産ませた嬰児を藁人形に変えて燃やしてしまいます・・・
 ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、作曲家、編曲者、指揮者、教育者として19世紀末から20世紀初頭にかけて多彩な音楽活動を繰り広げたブゾーニが、そのキャリアの集大成として取り組んだ歌劇『ドクトル・ファウスト』は、ヨーロッパ中世のファウスト伝説に基づく人形劇(プッペンシュピーレ)とシェイクスピアと同時代のイングランドの劇作家クリストファー・マーロウの戯曲「フォースタス博士」を素材にブゾーニ自身が台本を執筆。完成間近にブゾーニの死によって未完となったこの作品は、弟子のフィリップ・ヤルナッハに引き継がれ作曲家の死の翌年(1925年)ドレスデンで初演されました。その作風は、同世代の作曲家リヒャルト・シュトラウス(後期ロマン派)やピエトロ・マスカーニ(ヴェリズモ・オペラ)らと一線を画す、「起こり得ないことの現実性による劇作法」を標榜した作曲家の真価を示す作品として、近年、再評価の機運が高まっています。
 フィレンツェ五月音楽祭で上演された本作は、イタリア演出界の鬼才ダヴィデ・リヴェルモーレのプロジェクション・マッピングを大胆に使用した演出により、ゴシック・ホラーと見まがうばかりの不気味な雰囲気を湛えています。1997年、リヨン歌劇場でファウスト役を演じて以来、この役を嵌まり役とするディートリヒ・ヘンシェル、加えてウィーン国立歌劇場でそのキャリアを築いてきたパルマ公爵夫人役のオルガ・ベスメルトナを始めとした粒ぞろいの歌手たちを起用。近現代の作品をその中心レパートリーとするコルネリウス・マイスターの雄弁なタクトが、複雑に構成されたブゾーニの音楽から劇的な響きと抒情的な陰影を見事に引き出しています。(輸入元情報)


【収録情報】
● ブゾーニ:歌劇『ファウスト博士』(1925)全曲


 ドクトル・ファウスト/ディートリヒ・ヘンシェル(バリトン)
 メフィストフェレス/ダニエル・ブレンナ(テノール)
 パルマ公爵夫人/オルガ・ベスメルトナ(ソプラノ)
 ワーグナー、式部官/ヴィルヘルム・シュヴィングハマー(バス)
 パルマ公爵、兵士/ジョセフ・ダーダー(テノール)
 中尉/フロリアン・シュテルン(テノール)
 クラカウの3人の学生/マーティン・ピスコースキ、マリアン・ポップ(テノール)、ルーカス・コニエツニー(バス)
 法学者、レヴィス/マルセル・バコニー(バリトン)
 神学者、グラヴィス/ドミニク・バルベリ(バリトン)
 自然学者、アスモドトゥス/ザカリー・ウィルソン(バリトン)
 ヴィッテンベルクの学生たち/マーティン・ピスコースキ、フランツ・グルテルシュミート、マリアン・ポップ、フロリアン・シュテルン(テノール)、エワンドロ・ステンゾウスキ(バリトン)
 ベルゼブブ/フランツ・グルテルシュミート(テノール)
 メガロス/エワンドロ・ステンゾウスキ(テノール)
 女の声/マリア・コカレヴァ、オルハ・スモコリナ(ソプラノ)、アレクサンドラ・メテレヴァ(アルト)
 フィレンツェ五月祭合唱団(合唱指揮:ロレンツォ・フラティーニ)
 フィレンツェ五月祭管弦楽団
 コルネリウス・マイスター
(指揮)

 演出:ダヴィデ・リヴェルモーレ
 美術:ジオ・フォルマ
 衣裳:マリアーナ・フラカッソ
 照明:フィアメッタ・バルディゼッリ
 映像:D-Wok

 収録時期:2023年2月14日
 収録場所:イタリア、フィレンツェ五月音楽祭歌劇場(ライヴ)
 映像監督:マッテーオ・リケッティ

 収録時間:166分
 画面:カラー、16:9
 字幕:日本語、英語、ドイツ語(歌唱言語)、フランス語、イタリア語、韓国語