【発売】ヘラ・イェサン・パク/『Breathe』

2024年02月02日 (金) 08:00 - HMV&BOOKS online - クラシック


命の神秘と生きる勇気を伝える
韓国の若手ソプラノ歌手による渾身のセカンド・アルバム


韓国の若手ソプラノ歌手、ヘラ・イェサン・パクのセカンド・アルバム『Breathe』がドイツ・グラモフォンから発売されます。2020年のデビュー・アルバム『I am Hera』と同様、非常に個人的なアプローチで選曲されています。マスネ、ドリーブ、フンパーディンク、オルフ、ロッシーニ、ヴェルディなどのオペラの名曲とともに、ルーク・ハワード、セシリア・リヴィングストン、ウー・ヒョウォン、ベルナト・ビバンコスといった現代の作曲家たちの作品が並んでいます。ヨッヘン・リーダーが指揮するカルロ・フェリーチェ歌劇場管弦楽団とともにイタリア、ジェノヴァで録音されました。カナダのメゾ・ソプラノ歌手、エミリー・ダンジェロとの共演もあります。
 アルバムはオーストラリアの作曲家ルーク・ハワードの作品から始まります。この曲は世界最古の楽曲といわれる「セイキロスの墓碑銘」の歌詞を取り入れて新たに『While You Live』と名付けられました。カタロニア出身の作曲家、ベルナト・ビバンコスによる『Vocal Ice』はミケランジェロのピエタに触発されたヴォカリーズです。またカナダの作曲家、セシリア・リヴィングストンによりヘラのために書かれ、2023年3月にカーネギー・ホールで初演した『Breath Alone』の中間楽章、そしてヘラと同じ韓国のウー・ヒョウォンの『レクィエム』も歌われています。この曲では伝統的な韓国の弦楽器アジェンが伴奏に使われています。グレツキの交響曲第3番ではナチスに捕らえられたポーランドの少女の祈りが歌われ、リチニオ・レフィーチェの聖人の殉教を描いた作品『チェチーリア』、ロッシーニの『コリントの包囲』、ロッシーニとヴェルディの『オセロ』からも死に関する場面が選ばれています。ヴェルディの『アヴェ・マリア』は同じ祈りの歌詞がマスネの『タイス』の有名な『瞑想曲』にも合わせて歌われています。人気曲のフンパーディンクの『ヘンゼルとグレーテル』からの『夕べの祈り』と、ドリーブの『ラクメ』からの『花の二重唱』はエミリー・ダンジェロとのデュエットで、そしてオルフの『カルミナ・ブラーナ』からの『天秤棒に心をかけて』も美しく表現された歌唱で聴くことができます。
 アルバム『Breathe』はパンデミック中とその後におそらく多くの人を悩ませたであろう存在への疑問から生まれました。ヘラは人生の価値を高める経験によって、恐れと絶望から光、活力、そして現在を受け入れたいという思いへと導かれました。最初に出会ったのが「生きている間は輝いてください(While you live, shine)」という「セイキロスの墓碑銘」でした。そして2022年夏にサンティアゴ巡礼路を歩き、その途中で自然の中に慰めを見出します。「毎朝の光輝く日の出は宇宙の抱擁のように感じられました」。録音を終えた後に行ったフリーダイビングからも強く影響を受けました。「水中で息を止める間、私はこれまでに知らなかった最も美しい呼吸を体験しました。あらゆる思考が止まり、私はただ存在していました。深い平安の感覚がありました」。そして死についても深く考察しています。「死がなければ生命は存在せず、また死がなければ生命は完結しません。死について考えるうちに私の魂は生命の壮大さに満たされていくのを感じました。深い感謝の念が私の魂を満たし始めました」。「私はこのアルバムを聴く多くの人々がこの音楽を通じて平和と強さを持って生きる勇気を見つけてくれることを願っています。ただ呼吸し、勇気を持ってください!」とヘラは語っています。
 ヘラは『While You Live』のために壮大な水中ショットのミュージック・ビデオも制作しています。

「その声は素晴らしい感情を表現する楽器。俊敏で軽快、音域が上がるほど美しく花開く」〜グラモフォン誌。アルバム『I am Hera』について
「始まりから終わりまで力強く、ポジティヴな旅」「『Breath alone』はヘラの声と彼女の魂のこもった表現のために書かれました。聴衆はこの曲に心を奪われました」〜OperaWire。2023年3月、カーネギー・ホールのデビュー・リサイタルについて(輸入元情報)

【収録情報】
1. ルーク・ハワード:While You Live
2. グレツキ:交響曲第3番『悲歌の交響曲』より第2楽章「Mamo, nie placz, nie」
3. グレツキ:交響曲第3番『悲歌の交響曲』より第2楽章「Mamo, Mamo, Mamo, Niebios Przeczysta Krolowo」
4. オルフ:『カルミナ・ブラーナ』より「天秤棒に心をかけて」
5. フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』より「夜になって眠りにつくと」(夕べの祈り)
6. セシリア・リヴィングストン:『Breath Alone』より第2楽章「it did not free me to leave him」
〜2人のソプラノと室内オーケストラ版
7. ロッシーニ:歌劇『オテロ』よりAffettuoso
8. ロッシーニ:歌劇『オテロ』より「柳の下にたたずんで」(柳の歌)
9. ロッシーニ:歌劇『オテロ』より「ああ神様! これはいったい何という物音でしょう」
10. ロッシーニ:歌劇『オテロ』より「どうか静めてください、ああ天よ、眠りの中で」
11. ベルナト・ビバンコス:Vocal Ice: I. Doux, austere
12. ベルナト・ビバンコス:Vocal Ice: II. Calme, tendre
13. ヴェルディ:歌劇『オテロ』より「アヴェ・マリア」
14. ウー・ヒョウォン:『Eoi Gari』より「レクィエム」
15. マスネ:歌劇『ル・シッド』より「Plus de tournents et plus de peine」
16. マスネ:歌劇『ル・シッド』より「Allez en paix, vous que l’on aime」
17. マスネ:アヴェ・マリア(歌劇『タイス』の瞑想曲による)
〜M.シュピンドラーによるソプラノ、合唱と管弦楽編
18. リチニオ・レフィーチェ:歌劇『チェチーリア』よりMolto vivo e con fuoco
19. リチニオ・レフィーチェ:歌劇『チェチーリア』より「Grazie, sorelle!」
20. リチニオ・レフィーチェ:歌劇『チェチーリア』より「Padre! Ho pregato」
21. ドリーブ:歌劇『ラクメ』より花の二重唱「おいで、マリカ、花をつけた蔦は」
22. ドリーブ:歌劇『ラクメ』より花の二重唱「ジャスミンとバラの厚く群れ咲くアーチ」
23. ロッシーニ:歌劇『コリントの包囲』より「宿命の時は近づいた」
24. ロッシーニ:歌劇『コリントの包囲』より「神よ、この危機のさなかに」

 ヘラ・イェサン・パク
(ソプラノ:1-6,8-17,19-24)
 エミリー・ダンジェロ(メゾ・ソプラノ:5,6,9,21,22,24)
 ジョヴァンニ・バッティスタ・ファブリス(ヴァイオリン:1,17)
 Seulji Kim(アジェン:14)
 Federico Romano(チェロ:18)
 カルロ・フェリーチェ歌劇場合唱団(15-17,24)
 カルロ・フェリーチェ歌劇場管弦楽団(1-13,15-24)
 ヨッヘン・リーダー(指揮:1-13,15-24)

 録音時期:2022年7月2-9日
 録音場所:イタリア、ジェノヴァ、カルロ・フェリーチェ劇場
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
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