Egorov The Master Pianist
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saitaman | 埼玉県 | 不明 | 21/April/2024
不思議なピアニストだ。透明で、硬質で、歯切れよく、楽しく無い。ピアノという叩けば音の出る楽器で、無数のピアニストが弾いてきたクラシック音楽の定盤ともいえる代表的な名曲ばかりで、それほど特殊な解釈をしているとも思えないのに、どうしてここまで個性的になるのか。33歳で亡くなった若いピアニストの繊細で研ぎ澄まされた感性が音楽に滲み出ているとしか言いようが無い。計算して演っていたのであればそれはそれで天才である。0 people agree with this review
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せごびー | 愛知県 | 不明 | 06/January/2023
彼の演奏からは孤独な悲しさのようなものを感じました。冷たい演奏ではありませんが、どこか彼自身とは分離した温度感が無いものに聞こえ、楽しく聞けるものではありません。また例えばB=ミケランジェリのように芸術的意図として研ぎ澄ました感じもせず、結果としての類似点はありますがミケランジェリのほうが明るい実体感があります。エゴロフが何を言いたかったかはわかりませんが、ここにある音楽はあくまでも彼自身の心から滲み出たものであり、それが非常に深刻なものとして音楽に表れてしまったように思えました。ゆえに何度も繰り返し聴けるものではありませんが、素晴らしいものであることは間違いありません。あと音楽とは全く関係ないことですが、このジャケットセンスは手抜きが過ぎると思います。0 people agree with this review
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てつ | 東京都 | 不明 | 26/December/2020
ユーリ・エゴロフは「意志をピアノに込める」ことができるピアニストだったと私は思っている。彼にはロシアピアニズムの系譜とも言える、力強い打鍵はない。しかし、彼の出す音には彼の感情とか意志が詰まっている。どうしてエゴロフがこう言う音を出せるようになったのか、私は知らない。でも、カーネーギーホールライブのショパンの幻想曲を聞けば、リリシズムの上に強い意思が聞こえてくる。冒頭などはまるでシベリアのツンドラのようだ。何もない寂寥の世界。こう言う表現が出来るのがエゴロフだ。だからエゴロフは短調の曲が似合う。皇帝よりモーツアルトの20番が似合うのだ。このアルバムのジャケの屈託のない笑顔の奥底に、エゴロフ自身だけが知る世界があった。このアルバムは、そう言う孤高のピアニストのエッセンスが詰まっている。エゴロフは走り去ってしまったが、もし、彼を聞いたことがない方がいれば、是非聞いて欲しいと願わずにいられない。死後32年、でも彼の音楽はこうやって聞き継がれている。3 people agree with this review
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徳さん | 青森県 | 不明 | 16/September/2016
エゴロフというピアニストはこのCDで始めて知りましたが、とても素晴らしいです。リリシズムあふれる感性ですが情感に流されることが無く音色も美しく、テクニックもクライレリアーナを聴いて分かるように破綻が無くテクニックを派手にひけらかすことも無く美しく鳴り響いてます。 シューマンのも良いですが、ショパンも良いです、こんな感じのリリシズムあふれるショパンは始めて聴きました。3 people agree with this review
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小原っ子 | 愛知県 | 不明 | 07/September/2016
ドビュッシーが限りなく優しい! ミケランジェリの力強く美しい響きとは異なる調べ。 エゴロフというピアニストは、まったく聞いたことがなかった。 アルゲリッチやブレンデルのドビュッシーに不満を抱き、ロジェによってドビュッシーを見直し、ミケランジェリで最高の演奏に触れた思いだった。 このアルバムのレビューを見て興味を持ち、入手した。大正解である。 エゴロフもまた天才だ。前奏曲、何回も聴いて、次に進めない。 ゆっくりと楽しむことにする。1 people agree with this review
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greyfalcon | 福岡県 | 不明 | 21/September/2014
夭折した天才ピアニストというイメージにぴったりで、リパッティを彷彿させるものがある。とにかくタッチが美しい。どこまでも柔らかく澄んでいて、透明な宝石のような輝きを放っている。うっとりする程の美しい音色だ。実演を聴いた人は堪らなかっただろう。紡ぎ出される音楽も澄みきった叙情にあふれ、聞き込むほどに言葉を失っていく。これほどとは思わなかった。話半分、騙されるつもりで買ったCDだが、完全にファンになりました。しかし、神様は罪なことをしますねぇ、自分が生きていることが申し訳ない気になります。持ってない方はぜひ買って下さい。知らない人は可哀相です。9 people agree with this review
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風 | 福岡県 | 不明 | 12/July/2012
素晴らしい感性と、それを、そのまま表現できるテクニック。さらに、天性のタッチを持った、極めて稀な天才だと思います。しかも、驚くべき事に、ここに収められているのは、20才代半ばから30才位までの演奏なのです。クライスレリアーナは、ホロヴィッツと双璧をなす演奏だと思います。ショパンは、リパッティやフランソワの様な洒落た雰囲気をも感じさせてくれます。そして、ドビュッシーも、いづれ、ミケランジェリの境地に・・・。想像しても空しいですが、彼のエッセンスを味わうほかありません。それにしても、エゴロフさん、フィオレンティーノさん、もう少し、後世に遺産を残しておいて欲しかった。残念です。8 people agree with this review
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蓮華人 | 千葉県 | 不明 | 10/March/2011
痛ましいが、より存在を、みんな消し去ろうとしたかのように、すーっと忘れられたほうが悲しかった。やはりまだ差別意識が強く残っていたのだろうか。初発で数枚持っているが、その後、殆ど入手する機会がなかっただけに、ありがたい。伝説のカーネギーも欲しかった一枚で最高。7 people agree with this review
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S | Japan | 不明 | 28/October/2008
ソリストには美しい和声に関する絶対的な天分がある。無謀な強打鍵を巧妙に回避しつつダイナミクスの点でも全く不満を感じさせないのが彼のタッチの神秘だろう。そしてその魔性は曲の第一音から聴き手を捕らえ、いつの間にかどこまでも蒼く限りなく深い湖の中のような彼の世界に引きずりこむのだ・・・ もちろん彼が夭逝していなければこのセットは存在しない。しかしこのセットはすばらしい。そして悲しい。6 people agree with this review
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