優秀録音
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団による
現代音楽シリーズ『ホライゾン』第4弾
2枚組にパワーアップ!
マーラーと楽団メンバーへのオマージュ・アルバム
「RCO Live」レーベルの現代音楽シリーズ第4弾は2枚組にパワーアップしての登場。「オマージュ」をキーワードに、ツァグロゼク、シュテンツ、ロバートソンら現代音楽の分野ですでに目覚ましい業績を上げている顔ぶれが指揮する充実のラインナップです。
まず、ディスク1は、グスタフ・マーラーへのトリビュート・アルバムとなっています。
RCOは作曲家生誕150周年および歿後100周年を記念して、2009/10年、2010/11年と2シーズン連続で、交響曲全曲を演奏する大規模なプロジェクトに取り組んできましたが、そこでは、すべてのシンフォニーを時系列順に演奏するだけでなく、1925年、1995年に続く、アムステルダムで開催された3度目のマーラー・フェスティヴァルを形作る上で効果を挙げたように、RCOはマーラーの作品と強いつながりを示す作品をフューチャーしたコンサート・シリーズを組みました。
ディスク1の4曲と、ディスク2の1曲目がその演目で、このシリーズのためにRCOによって委嘱され、世界初演されたものです。
続いて、ディスク2収録の残り3作品では、ソリストおよびアンサンブルとして注目すべき役割を果たすRCO個々のメンバーに焦点を絞り、それによってRCOを構成する120名の音楽家たちそれぞれの名人芸、音楽的な知性、柔軟性を讃える象徴的な内容となっています。
RCO首席オーボエ奏者オグリンチュクによるシチェドリン、首席トロンボーン奏者ライエンによるベリオの両作品はいずれも世界初演時のドキュメント。RCO副首席ヴァイオリニストのメインダースと、第2ヴァイオリンのメンバー、ナセロウとのデュオによるハインドソンの曲は、2009年にRCO創立75周年記念を祝して、楽団とコンセルトヘボウ友の会(the Society of Friends of the Concertgebouw)によっておこなわれた室内楽連続演奏会の時の白熱のライヴになります。
こうしてふりかえると、当時のRCOも同時代の音楽であったマーラーに積極的に関わり、今日の受容に道を開いたわけですが、このアルバムを通してあらためて浮き彫りになるのは昔も今も変わらず懐の深さをみせる名門の姿といえるでしょう。(キングインターナショナル)
【収録情報】
SACD1 (60:50)
・マーラー/コリン・マシューズ編:Nicht zu Schnell(速すぎないように) (12:07)
ローター・ツァグロゼク(指揮)
録音時期:2009年11月12、13日
・へールト・ヴァン・クーレン:5つの悲劇的な歌 (16:47)
デトレフ・ロート(バリトン)
ローター・ツァグロゼク(指揮)
録音時期:2009年11月12、13日
・デトレフ・グラナート:岸辺なき流れ (18:19)
マルクス・シュテンツ(指揮)
録音時期:2010年4月9日
・ウィレム・イェス:スケール『マーラーの墓』 (13:16)
エド・スパンヤール(指揮)
録音時期:2010年12月9、10日
SACD2 (67:50)
・ユーイ・ラウケンス:制御不能 (16:12)
デイヴィッド・ロバートソン(指揮)
録音時期:2011年3月24、25日
・ロディオン・シチェドリン:オーボエ協奏曲 (21:42)
アレクセイ・オグリンチュク(オーボエ)
スザンナ・マルッキ(指揮)
録音時期:2010年6月18、19日
・ルチアーノ・ベリオ:ソロ (19:45)
ヨルゲン・ヴァン・ライエン(トロンボーン)
エド・スパンヤール(指揮)
録音時期:2004年12月16、17日
・マシュー・ハインドソン:クリッシーティナのマジック・ファンタジー (9:54)
マレイン・メインダース、モニカ・ナセロウ(ヴァイオイン)
録音時期:2009年11月18日
ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団
録音場所:アムステルダム、コンセルトヘボウ
録音方式:デジタル(ライヴ)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND