バッハの息子たちのピアノ協奏曲と小品集
シー・シャン・ウォン、バーゼル室内管弦楽団
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ生誕300年記念リリース。若手ピアニスト、シー・シャン・ウォンのドイツ・ハルモニア・ムンディ・レーベルへの初録音は、2014年に生誕300年を迎えるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの作品を中心に、ウィルヘルム・フリードマン、ヨハン・クリスティアン、ヨハン・クリストフ・フリードリヒというバッハの息子たちのクラヴィーア作品を収録した2枚組。
シー・シャン・ウォンは1979年オランダ生まれ。スイスでブルーノ・カニーノらに学び、12歳でオランダ放送管弦楽団と共演しデビュー。ロマンティックな曲を得意としていますが、初期古典派から現代音楽までの幅広いレパートリーは高い評価を受けており、2002年からはチューリッヒ芸術大学で教鞭をとっています。当アルバムでは、シー・シャン・ウォンはスタインウェイ・ピアノを弾いており、バックを務めるバーゼル室内管弦楽団もモダン楽器のオーケストラなので、オリジナル楽器による演奏の録音を発売するドイツ・ハルモニア・ムンディからのリリースとしては異例ですが、独奏・オーケストラともども、短めのフレージング、躍動感のある早めのテンポ、ヴィブラートを控えめにした弦楽パートなど、モダン楽器を用いながらもピリオド演奏様式を十分に取り入れる形での演奏が行われています。
リーダーの笠井友紀はバーゼル室内管弦楽団のコンサートマスターをつとめるかたわら、カンマー・アカデミー・ポツダムのコンサートマスターやドイツ・カンマ―フィルにもゲスト参加しています。(DHM)
【収録情報】
・C.P.E.バッハ:クラヴィーア協奏曲ニ短調 Wq.23
・C.P.E.バッハ:ソルフェッジオ第2番ハ短調 Wq.117/2
・C.P.E.バッハ:幻想曲 嬰ヘ短調 Wq.67
・C.P.E.バッハ:ロンド ホ短調 Wq.66
・C.P.E.バッハ:片手のみのピアノ小品 Wq.117/1
・C.P.E.バッハ:ヴュルテンベルク・ソナタ第1番 Wq.49/1
・W.F.バッハ:クラヴィーア協奏曲ニ長調 Fk.41
・W.F.バッハ:クラヴィーア・ソナタ変ロ長調 Fk.9
・W.F.バッハ:ポロネーズ ヘ短調 Fk.12/10
・J.C.バッハ:クラヴィーア協奏曲ヘ短調 CW.C73
・J.C.バッハ:クラヴィーア・ソナタ イ長調 Op.17/5
・J.Ch.バッハ:クラヴィーア協奏曲イ長調 BR.C30
・J.Ch.F.バッハ:『お母さん話して』による変奏曲
・ディートリヒ・エヴァルト・フォン・グロトゥス:ロンド ハ長調(ジルバーマンのクラヴィーアを楽しむために)
・J.S.バッハ:『主よ、人の望みの喜びよ』(マイラ・ヘス編曲版)
シー・シャン・ウォン(ピアノ)
バーゼル室内管弦楽団
笠井友紀(ヴァイオリン、リーダー)
録音方式:ステレオ(デジタル)